第96回 経営成果につながる小集団活動
小集団活動というのは、同じ職場の係や班といった単位でチームを作って改善活動していくことです。我々のコンサルティングにおいても小集団を作って改善活動を行うケースも多々あります。小集団活動は職場の活性化や従業員の問題意識の醸成などの目的で昔から製造業を中心に多くの企業で行われてきていますが、昨今は活動がなかなかうまく進まない、活動はまじめにやっているが大きな成果につながらないというケースもよく耳にします。本講座では、そういった小集団活動を経営成果に繋げるためのポイントをご紹介してきます。 |
1.現在の小集団活動の問題点 |
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小集団活動の歴史は古く何十年も活動を継続している企業も多いですが、その全ての活動が大きな成果を上げ続けているというわけではありません。長く活動を続けているだけで、活動がマンネリ化したり、形だけの活動になっている企業も数多くあります。うまくいっていない小集団活動では、下記のような問題が発生しています。 |
2.小集団活動が成功するための条件 |
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小集団活動の目的は、従業員の知恵を「改善活動」を通じて経営に反映させることですが、昨今は完全に従業員の自主性に任せた活動では大きな成果を出すことは難しい時代になってきました。かつて戦後の日本の復興期に小集団活動が製造業の多くの企業の成長に多大な貢献をしました。そして、その活動の多くが実際にものづくりを行う現場の自主性による智恵と工夫によってもたらされたものでした。従って、多くの経営者はその再現を期待し、従業員は会社のために自主的に改善活動を行ってくれるものという意識を持っていますが、労働環境が多様化し、従業員の価値観も多様化している現在ではそのような考えでは小集団活動を成立させることは難しくなっています |
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3.新しい小集団活動の概念が必要 |
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先にも書いたように現在は小集団など組織としての改善活動が成り立ちにくい時代になっています。従って、小集団活動を成り立たせるためには、これまでとは違う新たな小集団活動の概念が必要になります。それが「課題達成型小集団活動」です。 |
次回は「課題達成型小集団活動」とはどのような小集団活動か詳しく説明していきます。 |
株式会社アステックコンサルティング コンサルティング本部 コンサルタント 上原 剛 |