第46回 「設計開発部門改革の第一歩」
さてこの回では、設計改善のための5つの切り口と設計開発部門の最も基本である設計思想の説明を行います。 |
1.製造業における設計改善のための5つの切り口 |
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これから脱却して「流用設計」「分割設計」「編集設計」を構築する必要があります。 (図1) |
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さて、「流用設計」「分割設計」「編集設計」を進めていきますと究極は「標準化」に行き着きます。標準化については詳しく次回説明いたします。 それでは、設計開発部門の最も重要で会社の哲学ともいえます、設計思想につきまして説明を行います。 |
2.基本設計思想と個別設計思想 |
設計思想とは設計時に設計者のバックボーンとなる考え方で、言わば設計における価値判断基準であり、行動指針と言うことが出来ます。部品選択や機能選択を行う場合の比較基準となり、非常に重要な考え方になります。それでは基本設計思想と個別設計思想につきまして説明させていただきます。
まず基本設計思想ですが、企業としての設計商品化に対する基本的な考え方であり企業としての最も基本的な戦略であり、あらゆる製造業としての企業としての進むべき方向性を決定する極めて重要な考え方です。それでは基本設計思想の実例を挙げて説明します。 UNIXの基本設計思想(哲学)は下記のようになります。 ・スモール・イズ・ビューティフル ・一つのプログラムには一つのことをうまくやらせる ・できるだけ早く試作を作成する ・効率より移植性 ・過度の対話的インタフェースを避ける デロンギ(伊・家電)の基本設計思想は下記のようになります。 ・使う人の安全を第一に考えた優しい設計 F社(日・OA)の基本設計思想は下記のようになります。 ・使用済み機器の最大限活用 ・リユース設計 分離設計、冗長設計、分解設計 次に個別設計思想とは、商品または商品群別に設定する設計思想です。基本設計思想をベースにしながら、個別の商品または商品群別に特徴を持った思想を付加することであり、商品戦略・商品コンセプトそのものです。 注意事項ですが、設計思想は設計部門だけで決定できるものではないという点です。本来は企業戦略及び製品戦略からブレイクダウンされていくものであり、営業、企画・開発、設計、調達、製造など関係者の間で設計思想を合意形成していくことが大切です。 設計思想が明確になってきますと次にその基本思想に添った形での標準化を進める必要があります。次回はその標準化につきましてお話してまいります。 |
株式会社アステックコンサルティング |