モロゾフ株式会社 様

会社名 モロゾフ株式会社 様
事業内容 洋菓子製造・販売事業、喫茶・レストラン事業

モロゾフ株式会社様は、神戸市東灘区の六甲アイランドに本社のある、1931年8月8日に設立された創業82年を迎える老舗洋菓子メーカーです。
工場は今回コンサルティングを導入頂いた西神工場の他、札幌、船橋、六甲アイランド、福岡にありチョコレート、焼菓子、プリン、チーズケーキ等の洋菓子を生産されています。これら5工場で生産された洋菓子は、全国にある直営店や百貨店・専門店など951店舗で販売される他、33店舗ある喫茶店舗とレストランで楽しむ事ができます。
本日は、生産本部に常務取締役生産本部長 賀集輝昭様を訪問しお話を伺いました。

Q:「モロゾフ」と言えば、子供の頃から百貨店で買う高級なチョコレート、焼菓子のイメージがあります。
今年で創業82周年になりますので日本の洋菓子メーカーでは歴史のある方だと思います。
創業者は早くから百貨店さんに店舗展開して販売を始めましたので、お陰様で皆様の目に触れる事も多いのではないかと思います。
Q:工場診断を受診されましたが、どのようなきっかけだったのでしょうか?
実は、私は入社以来ずっと営業畑で仕事をしてきました。2年半前に取締役東京支店長を担当している時に突然「生産を見てもらうことにする」と言われ生産本部長を拝命しました。
ところが、永年メーカーにいても製造の詳細は殆ど知りませんでしたので、当社の工場は「世間から見てどのようなレベルなのか」、改善するとすれば「何から、どのように着手すればいいのか」を知りたいと思っていろいろなコンサルタント会社の方のお話も聞きました。
生産本部の副本部長から「手頃な費用で工場診断してくれる会社がある」とアステックコンサルティングさんの紹介を受けました。それで、まず工場診断をお願いしました。
Q:工場診断の結果はどうでしたか?
工場診断後、改善実践支援企画書に現状の問題点、課題、あるべき姿、改善目標と改善手法や改善組織をまとめて頂き、報告を受けましたが、コンサルタントの方の「工場の皆さんから改善という言葉が聞こえない」という言葉が全てを語っていたように思います。
当社の工場では、それまであまり改善活動に取り組んでこなかったと言う事です。
勿論、食品工場として衛生管理や5S活動は行っていましたが、「1円でも安く、1秒でも早く」という製造業の永遠のテーマである生産性向上にはあまり熱心ではなかったかもしれません。
「この工場なら、生産性は20%は向上します。」と指摘されました。
Q:コンサルティングを導入された狙いは、何処にあったのでしょうか?
当社は、2019年8月8日に創業88周年を迎えます。コンサルティングを導入した昨年は100周年への礎を築く為に88周年を目指した中期経営計画MVP88を策定して2年目を迎えた年でした。MVPとは、orozoff ictory lan88の頭文字をとった計画名称で、STEP1(2011年度~2013年度)をCHANGE、STEP2(2014年度~2016年度)をCHALLENGE、STEP3(2017年度~2019年度)をCREATEと位置づけて、まず「改革」で利益創出できる体質にし、市場、商品、技術、人材育成などあらゆる分野で「挑戦」し、次代に適応し成長するために新たなる価値を「創造する」というものです。
生産本部は、MVP88に沿って、まず利益創出をするために生産性を向上する責務があるのです。
但し、最初から数値上の成果が大きく上がるとは思っていませんでした。製造部門内で、関係者が目標達成に向けて会議体を構成し、キッチリ計画を立てて実行する。結果の反省を基に、次期に向けて更に目標を設定して活動するという仕組みと風土が出来れば良いと思っていたのです。
ところが、アステックさんの提案を聞いていてこれを実行すれば計画達成が出来る!と確信しましたので、コンサルティングをお願いすることにしました。
Q:改善活動の詳細について、教えてください。
まず目標値は、1年後に生産性20%向上。プロジェクト名をUP20プロジェクトとし、CHANGE MYSELF!(今がその時、変わる時! 変(変化)進(進化)西神!)として、西神工場の改善から取組みました。
アステックさんからの提案でしたが、「製造:小集団活動」「生産技術:設備稼働率向上」「管理・生産企画:生産計画と配員コントロール」の3プロジェクトが三位一体となって活動するよう改善組織を立ち上げました。
そして、コンサルタントによる指導と随所にミニセミナーを取り入れた教育を重視したところにも特徴があると思います。
Q:改善活動の進捗は如何でしたか?
コンサルタントの方は、言い方は柔らかくても内容は厳しい。これが良かったと思っています。
今まで社内の仲間同士で活動をしていた時は、人間関係を崩さないようにとの遠慮からか、業務上でも厳しい言葉を互いに言わない風土でした。
計画、製造、結果のなかでは計画が弱かったと思います。製造して結果はこうなりましたといういわば、結果管理だけに終わっていたのです。
また、結果の反省から、次期にはより高い目標を掲げてそれに挑戦するという風土も根付いていませんでした。
コンサルタントの方がおっしゃるのは、「詳細な計画を作って、計画通りに製造しましょう。そして、計画と実績の差が出たら、プラスの差でもマイナスの差でも何故そのような差が出たのか分析してその原因を排除するように改善していく。まずは、当たり前の事を当たり前のように出来るようにしましょう」というものでした。 生産計画で生産性をコントロール出来るようにしようと計画段階で生産性が見えるように改善しましたし、生産計画は3日間確定として3日後までは変更しない。また、時間を意識した作業指示で工場全体の人員をコントロールできるようにしました。
一方、生産設備の保全については停止状況の分析から点検項目を見直し、日常点検を行う工程の作業者への教育と、トラブル対処方法のマニュアル作成から改良保全の実施に注力し、トラブルが発生する前に予防する保全へと管理を変えて行きました。設備トラブルを削減した事が、生産性向上の目標達成の基礎になっていると思います。

生産現場の小集団活動では、M改善(身の回り改善)も行いましたが、活動の最初からテーマと目標値を定めて取り組むT改善(テーマ改善)に早くから取組みました。その結果、1年で生産性向上20%を達成できました。詳細な取組み内容のアクションプランをプロジェクトで定めて着実に実行していきました。この段階でも改善計画と手法の展開が重要だと思っています。また、当社の場合、基本的に社員が製造を担当していますが、熱心に改善活動に取り組んでくれたと感じています。
Q:改善活動の成果は如何ですか?
改善活動を実施した西神工場では、生産性20%を達成する事が出来ました。
また、あまり詳細にはお話しできないですが、会社としては売上原価率の低減と営業利益率の向上を達成することが出来ました。その中の一部は、アステックコンサルティングさんの指導を受けながら活動した成果です。
単年度で投資の何倍もの成果が得られましたが、今回の活動によって仕組みや風土も改善されていますので、今後の工場運営を含めますとより大きな成果が得られたと考えています。
Q:今後の取組みについてお聞かせ下さい
西神工場については改善活動が定着してきましたので今年度は、自主活動に切替えて継続します。
一方、大市場の関東圏は市場での競争も厳しいですから、ここを担う船橋工場の改善を今年は手がけたいと計画していますので、また コンサルティングをお願いします。
厳しく指導してもらったら良いですよ。

今日は、改善活動だけでなくお菓子に関する様々なお話を頂きましてありがとうございます。
担当コンサルや営業からは聞いていましたが、やはり賀集常務様のリーダシップがあっての改善成果だということが良く解りました。 
これからも是非、宜しくお願いします。

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