活動報告

DXの考え方

第1回 「DXの目的と本質」

1.DXって何だろう?

最近はDXについて色々な所で話を聞くようになりました。
その多くは自社もDXに取り組み始めたとか、新たなツールを導入し始めたというレベルもありますし、社長から指示があって色々と調査している、会社としての方針になったがまだ具体的には動けていないという会社もあります。ただ私が見聞きする中で実は大半の人が「DXって何?」「DXは何したらいいの?」「うちの会社でそんなこと出来るの?」といった反応が正直なところではないかと思います。

そのような疑問に応えるために今回から何回かのシリーズでDXについての解説を書いていこうと思います。ちなみにこれから書いていく記事は「アステックコンサルティングの社長ブログ」ですでに公開した記事をベースに加筆修正したものです。注意してほしいのは、あくまでもアステックコンサルティングとしての認識ですから、「他と違う」とか「新聞記事や雑誌記事と書いてることが違う」ということはあったとしてもご容赦ください。あくまでもアステック風のDXの解説です。

まず「DXって何?」という質問から答えたいと思いますが、これがなかなか難しい。実はDX(デジタル トランスフォーメーション)という言葉に明確な定義はなく、イメージだけが先行しているといっても過言ではないと思います。ちなみに経済産業省ではDXの定義について「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」としています。

まあ官僚特有の並列的表現で非常に解りにくい感じですが、要は市場環境が大幅に変わっているので、デジタル技術を使って社内の仕組みを変えて儲かるようにしていきなさいよ、そうしないと海外企業に負けてしまいますよ。ということだと思います。実際問題として世界中でICT技術を使ってビジネスモデルの変革が起こっていることは事実ですし、新たな技術を使うことによって今まで想定もすることも出来なかったような新しいビジネスが生まれているのも事実です。最近でいえばテレワーク普及のベースになったWebEXやスカイプ、ズームなどの通信アプリも数年前(コロナ)までは存在すら知らなかった人がほとんどではないかと思います。また電子マネーやPayPayなどの決済アプリも急速に広がっていますし、電子帳票やICTツールによるデジタル化の推進、請求書のWEB送付や経費精算の簡略化など今まで人がやっていた仕事をICTツールを使うことによって合理化し、生産性を上げる取り組みをやり始めた企業も多いのではないかと思います。

このようにDXは新たなツールを利用しながら大きく生産性向上を実現させる取組といえますし(直接、間接問わず)、場合によっては新しいツールを使うことによって新しいビジネスモデルを構築していく取組ということもできます。実際には新しいビジネスモデルを構築するのはそう簡単にはできないでしょうから、DXの取っ掛かりとしてはツールやシステムを使って社内の生産性を大幅に向上させる取組をDX活動のスタートと呼んで良いのではないかと思います。

イメージ的にDXについて分かってもらえたと思いますが、次に考えないといけないのはどうやって進めるの?具体的な進め方の手順は?ということになるかと思います。実際問題として導入するツールの手順を間違えたり、十分な検討を行わずにツールに飛びついてしまうと、結局使いこなせず最終的に誰も使わなくなったというパターンに陥る場合が多いので、やはり最初にしっかりと導入目的と導入手順を明確にしておくことが非常に重要です(スケジューラやMES、RPAなどを導入したけど使いきれなかったという企業は要注意です)。

DXの導入についてまずしっかりと理解してほしいのは、DXには導入レベルがあって何の準備もなく上位レベルを狙っても確実に失敗するということです。下にDXのレベルについて書いた表を載せていますが、DXレベル1〜5までをまずしっかりと理解してもらうことが大切です。

図表1製造業のDXは5段階に分かれる

このDXのレベルはアステックコンサルティングで使っているものですが、方向性としては間違いないと思いますし、比較的現実的に書いているので理解も得られやすいのではないかと思います。ポイントになるのはDXのレベルによって対象領域が変わって来ると言う事であり、DXレベル1では紙データのデジタル化や身の回りの設備の稼働状況の見える化と言ったレベルであったものが、DXレベル5になるとその対象はサプライチェーン全体になり実現難易度も非常に高くなりますし、投資額もかなり大きなものになるのは間違いありません。そのためDXを進めて行く場合には自社の目指すべきレベル、そこに到達するまでの時間など作戦をしっかりと練った上で進めて行く必要があるのです。

また2つ目のポイントとしては、基本が出来ていない段階でいきなり上位レベルを狙おうとしても失敗する確率が非常に高いと言う事です。表を見てもらえば解ると思いますが、まずはしっかりとレベル1でデジタル化を進めていかないとレベル2にはなれないということです。つまりDXはいきなりレベル4や5を目指すのではなく、レベル1から積み上げていかないと上位レベルには到達出来ないということです。新たな技術を使って新たなビジネスモデルの構築を行う場合はいきなりレベル5あたりを狙う場合もありますが、その場合はその新たなビジネスモデルを立ち上げる人たちは深いITの知識を持っている場合がほとんどなので、これからDXを進めて行こうとしている企業とは全く違った次元にいる場合がほとんどです。

今回DXのアウトラインについて説明してきましたが、理解していただけたでしょうか。最初に経済産業省におけるDXの定義などを書きましたが、DXの本質は仕事の流れを(デジタル技術を使って)抜本的に変えることによって低コスト化を実現すると言う事です。他にも新しい技術を使って新しいビジネスモデルを構築すると言う目標もありますが、当面の目標としては「DX=低コスト化」というイメージで良いのではないかと思います。今後、数回にわたってこのDXの解説を書いていきますので参考にしていただければと思います。






2.DXレベル1とはデジタル化

前回はDXの概要について説明を行いました。DXには5つのレベルがあって、レベル1から取り組まないと上位レベルには到達できないと言う点、そして最終的に「DX=低コスト化」につながってこそ本当の意味でのDXであると言う話をしました。これを受けて今回はまずDXレベル1について解説をしていきたいと思います。

DXの5つのレベルについての概要は以下の通りです。

レベル1:社内で使っている紙データをデジタル化する段階、また着完や工数データなど今まで十分に認識出来ていなかった項目を見える化できるようにする段階。

レベル2:デジタル化したデータの取りまとめ、グラフ化、問題点の抽出及びそれに伴う各種改善の実施。またその他必要なデータの収集、デジタル化の拡充。

レベル3:改善やデジタル化の範囲を単独の設備や工程から仕事の流れ(業務フロー)に拡大する。いわゆる業務フローの簡素化、効率化を進めていく。各種ツールの活用も行う。

レベル4:会社全体の仕事の流れを再構築していく段階であり、抜本的な改革を行って業務コストの削減を行っていく。システム先行ではなく改善先行で進めていく。

レベル5:社外も含めてサプライチェーン全体の流れを再構築していく段階である。また新たな技術を使って新ビジネスの開発及び新ビジネスモデルを構築する段階。

以上がDXにおける5つのレベルという事になります。ただ注意しておいてほしいのは、この5段階は世間的に確定したというものではなくアステックコンサルティングとしての見解という事です。日々コンサルティングで多くの企業の皆さん(一部上場企業から零細企業まで)と接するとともに、IT系のツールを扱っている企業の皆さんとの接触を通じて得られた知見を基にして作ったものです。いわばコンサルティングの中での肌感覚で得られた知見と言うことが出来るかもしれません。ちなみに経済産業省のDXレポートや大手ITベンダーの見解はほとんど考慮していないので、よろしくお願いします。

今回はレベル1について話をしていきたいと思います。
レベル1は社内で使っている紙データをデジタル化する段階と言うことが出来ます。このデジタル化していくデータとしては以下のものがあります。

@  帳票や日報などの紙資料に記載されているデータ
A  データとしては存在しているが取りまとめられていないもの
B  全く収集も活用もされていないが、使えば有用となる情報

これらが会社の中に存在しているデータという事になりますが、ある程度の形として存在しているのは@のデータです。多くの場合これらの情報は紙に記入されている状態で、活用できるデータにはなっていません。一部の重要情報はエクセルや社内システムに転記されたりしていますが、データベースの構造上使い勝手の良いものにはなっていない場合がほとんどです。

これらの情報・データを活用しやすいデジタルデータにしていくのがこのレベルの目的であり、実現出来た状態がDXレベル1と言うことが出来ます。実際問題として一番の基礎部分であり、これが出来ていないとレベル2やレベル3などの上級レベルに行くことは出来ませんから、しっかりと実施していくことが非常に重要なステップと言うことが出来ます。

デジタル化していく手順としては、先に述べた@〜Bの順で進めていくのが良いと思います。@の日報や帳票などに取りまとめているデータと言うのは、現状でも活用している重要データということですから、まずこの情報をデジタル化して行くことが先決ですね。

この日報や各種帳票をデジタル化していくときに使用すると便利なのが「電子帳票ソフト」ということになります。基本的には帳票フォーマットをエクセルで作成し、そこにタブレットやスマホ上から入力できるようにするアプリで、日常よく使っているであろうエクセルの感覚で使うことが出来るので割と簡単に使いこなすことが出来ると思います。入力したデータはそのままデータベースに保存できるので、後からデータを引っ張り出して分析することも出来ますし、設定の仕方によっては入力時に異常データがあればアラームを鳴らすようにすることも出来ます。デジタル化されればそのデータ自体が意味を持ちますから、色々な操作を行うことが可能になってくるわけです。この電子帳票はまさにDXを進めていく第一歩と言うことが出来ますね。

電子帳票アプリは、色々なメーカーが作成していますが、現時点での有名どころとしては「i-Reporter」「XC-Gate」が挙げられるでしょう。他にも「Joy CoMES Re」など設備監視などと連携したソフトもあります。これらの機能は基本的には同じようなものなので、よく調べた上で自社に適したものを選べばよいと思います(当社が推薦しているのは「XC-Gate」と「Joy CoMES Re」です)。基本的にはデータベースに対する入力アプリですから、今後も色々なものが出てくると思います。

Aの「データとしては存在するが取りまとめていないもの」とは、毎朝の設備点検データ、設備稼働率やチョコ停記録、冷蔵庫の温度や蒸気圧、空気圧などのユーティリティー関係のデータなどが挙げられると思いますが、これらも生産上で重要なデータですからデジタルデータ化していく必要があります。これらに関しても@で述べた電子帳票を使っていけば良いでしょう。

またBの全く使っていないが使えば有用となる情報としては、設備の振動や音、温度、空気の流れや温湿度データなどが挙げられますが、Aのデータも含めて稼働監視系のアプリを使えば色々と参考になるデータを収集することが出来ます。これらは設備などの色々なセンサーを付けて状況を監視するもので、使用するセンサーによって実に多岐にわたったデータ収集をすることが可能になります。要はアイディア次第で様々なデータを取ることが出来るようになり、今まで全く想定していなかったような結果を出すことが可能になるのです。この典型的なものが設備の故障予知で、振動や音を収集することによって設備が壊れる前にアラームを出すようにすることも可能なのです。

このようにDXレベル1は、今まで使えていなかった情報をデジタル化することによって使えるようにするというステップであり、これだけで大きな成果を上げられるという訳ではありません。よく投資対効果について言う人がいますが、DXに関して、レベル1は次のレベル2や3に行くための段階であって、投資対効果を問うのは全くのナンセンスです。

DXを進めていく場合にはまずこのレベル1でデータのデジタル化を行わないと話が始まりません。いきなり広範囲のデジタル化を行うのは大変だと思いますから、先に述べた@〜Bの順で進めていってもらえればと思います。





3.DXレベル2はデータの活用

前回はDXの5段階レベルのうち、レベル1について話をしましたが、今回は次のステップであるDXレベル2について話をしていこうと思います。ちなみに当社(アステックコンサルティング)で規定しているDXレベルは以下の通りです。

レベル1:社内で使っている紙データをデジタル化する段階、また着完や工数データなど今まで十分に認識出来ていなかった項目を見える化できるようにする段階。

レベル2:デジタル化したデータの取りまとめ、グラフ化、問題点の抽出及びそれに伴う各種改善の実施。またその他必要なデータの収集、デジタル化の拡充。

レベル3:改善やデジタル化の範囲を単独の設備や工程から仕事の流れ(業務フロー)に拡大する。いわゆる業務フローの簡素化、効率化を進めていく。各種ツールの活用も行う。

レベル4:会社全体の仕事の流れを再構築していく段階であり、抜本的な改革を行って業務コストの削減を行っていく。システム先行ではなく改善先行で進めていく。

レベル5:社外も含めてサプライチェーン全体の流れを再構築していく段階である。また新たな技術を使って新ビジネスの開発及び新ビジネスモデルを構築する段階。

これらのうち今回説明するのはDXレベル2であり、デジタル化したデータを使って各種改善を行っていく段階です。
DXレベル1で紙データをデジタル化して後から使えるような形に転換しましたが、DXレベル2ではこれらのデータを「見える化」していくのが最初の取り組み事項になります。基本的にデータはデータベースに格納することになるので、あとはこのデータを使ってどのようにまとめるかはアイデア次第という事になります。ただ一般的にはデジタル化する段階で目的をもってツールを選択していると思うので、特に悩むことなく「見える化」することが出来ると思います。

通常は導入したツールに付属しているソフトウェアで「見える化」することになりますが、データをさらに詳しく分析したり、従来とは違った角度で分析したい場合などは、エクセルなどの表計算ソフトのグラフ機能を使って表示することもあります。この辺がデジタル化をしたメリットの1つであって、しっかりとデータベースが構築できていれば色々な形でデータを活用することが出来るのです。

ただ注意しておいてほしいのは、DXレベル1で複数企業のツールを導入した場合などはデータベース自体が別になるので、データの取りまとめを行う場合にちょっと手間が発生するという事です。例えば電子帳票はA社のものを使って、設備稼働率の把握はB社のツール、着完入力の把握はC社のものでそれは基幹システムに繋がっている、などといった場合です。そもそもツールのメーカーがバラバラだとデータベースの形もバラバラですから、各々のデータを見るときにソフトを切り替えないといけない手間が発生するのです。そういう意味では色々なツールを内包している統合型のツールの方が便利かもしれません(価格は高くなりますが・・・)。

ただ現在は色々なツールのデータを一元的に表示することのできるBIツール(Business Intelligence)と言うものがありますから、これを使うと異種間のソフトウェア上のデータを一元的に表示できるので、大変便利です。このBIツールには複数の有名メーカーがありますが、最近はマイクロソフトがBIツールを出していたり、グーグルが似たようなサービスを提供していますので、今後はこちらの方が主流になるかもしれません。ちなみにマイクロソフトはRPA(Robotic Process Automation)いわゆる事務作業の自動化ツールも無料の物を出していますので(PAD:Power Automate Desktop)、RPA業界のシェアが大きく変わるかもしれません。

ただDXレベル2の目的はこれらの「見える化」だけではありません。最も大切なのはこれらのデータを基にして具体的な改善を行うことです。設備稼働率のデータやグラフが見えるようになったのであれば、停止要因を調査し、不具合個所の修理や設備が安定的に動くような改善を行うことなのです。労働生産性であるならばどの職場の、どの作業をやっているときに生産性が下がるのかを明確にして、その作業を集中的に改善することによって生産性を上げる努力を行わないと「見える化」した意味が全くないわけです。

DXを進めていく段階において多くの企業が「見える化」できた段階で満足してしまう傾向があるのは事実です。BIツーなどを導入して当社のDX化はかなり進んでいる!という企業(担当者レベルで)もありますが、大切なのは「見える化」ではなく改善することであって、具体的な成果を上げて行くことなのです。DXレベル1の段階では成果は出ませんよと書いたと思いますが、DXで成果を上げていくためには地道な改善が必要です。せっかくDXに投資したのに一向に成果が上がらないと悩んでいる経営者の方は今一度この改善部分に着目してほしいと思います。

またもう一つDXが失敗する例として挙げられるのは「スモールスタート」だけにこだわっている企業です。スモールスタート自体は先行投資であって問題は無いのですが、本来スモールスタートの次には大きな投資を行うのが通例であって、DXの可能性及び方向性をしっかり認識した上で投資計画を作っていくのが本来の姿です。それなのにスモールスタートの次もスモール投資、その後もスモール投資で会社の中にDX関連のツールが散在し、ツール同士の連携も出来ないまま終わってしまう危険性の高い企業が結構多いのです。それこそDXレベル1の状態で止まってしまうということです。

DXは会社の仕組みを大きく変えていく可能性、また破壊力を持った取り組みです。どうかしっかりとDXの可能性と方向性を十分に検討して取り組んで行ってほしいと思います。





4.DXレベル3からは対象領域が変わる

今までDXレベル1と2について書いてきましたが、今回はDXレベル3について話をしたいと思います。ちなみに当社(アステックコンサルティング)で規定しているDXレベルは以下の通りです。

レベル1:社内で使っている紙データをデジタル化する段階、また着完や工数データなど今まで十分に認識出来ていなかった項目を見える化できるようにする段階。

レベル2:デジタル化したデータの取りまとめ、グラフ化、問題点の抽出及びそれに伴う各種改善の実施。またその他必要なデータの収集、デジタル化の拡充。

レベル3:改善やデジタル化の範囲を単独の設備や工程から仕事の流れ(業務フロー)に拡大する。いわゆる業務フローの簡素化、効率化を進めていく。各種ツールの活用も行う。

レベル4:会社全体の仕事の流れを再構築していく段階であり、抜本的な改革を行って業務コストの削減を行っていく。システム先行ではなく改善先行で進めていく。

レベル5:社外も含めてサプライチェーン全体の流れを再構築していく段階である。また新たな技術を使って新ビジネスの開発及び新ビジネスモデルを構築する段階。

DXレベル1は工場や社内における各種データをデジタル化するという段階でした。社内の紙帳票を電子帳票ソフトなどを使ってデジタル化するということですね。また設備の稼働率や停止時間、食品工場などでは職場の温湿度、冷蔵庫温度などをデジタル化しデータの蓄積をしっかり行っていこうという段階です。 DXレベル2では、収集したデータを集めて分析を行い問題点を抽出する、そしてその問題点を解決するように改善を行っていくことです。

そしてDXレベル3になるわけですが、このDXレベル3はレベル2とは改善の方向性が大きく変わってくるので注意が必要です。DXレベル1・2では基本的に単体設備の稼働率やラインごとの生産性、職場別の生産性や就労時間など個別の作業や人、工程などを対象にデータを取って「見える化」、「デジタル化」、そして問題部分の改善を行っていたと思いますが、DXレベル3からはその対象が「組織」や「仕事の流れ」に変わっていきます。いわゆる業務フローを対象として「見える化」、「デジタル化」を行ったり、業務改善を行ったりする形に変わってくるわけです。つまりDXの対象領域がかなり広がることになり、まさに仕事の進め方や部門別の業務フロー全体を対象にした改善に変わっていくことができます。当然ながら直接部門、間接部門と言った垣根は薄くなり、仕事の進め方自体の変革を行っていくという事になります。

当然ながらIoTやICTの技術も使える部分では使うことになりますが、改善自体で言えば必ずしもこれらの技術を使うことは必須ではありません。一般的に業務フロー改善など大きな改善を行った後には新たな仕組みの固定化を行いますが、その段階で色々なツールを使ってシステム化していっても問題はありません。今回説明しているDX化は、最終的には会社の仕組みを変えてより低コスト体質な企業を作る事、企業としての収益性を上げて行く事が目的ですから、そこに近づくのであれば多少やり方が他社と違っていても何の問題もありません。

具体的にDXレベル3ではどんな取り組みを行うかと言うと、以下のようなイメージです。

@組織内、部門内の仕事のやり方を変えて、1つの仕事に関与する人の数、組織の数を大幅に減らし(自己完結性アップ)、より短い時間で仕事が終わるようにする

A文書数の削減と二次情報を含む報告書の自動作成、報告書作成に関与する人の数、時間数の削減。この場合各種ICT ツール(RPAなど)も積極的に使っていく

Bスケジューラや他システムの活用により緻密な生産計画の立案及び計画に沿った進捗管理、また時間レベルの業務管理の実施。

CAIや画像処理による検査工程の自動化、工数の大幅削減。各種新規技術を使った工数の大幅削減、人員削減など(新技術による工程革新)

DRFIDによる在庫管理の簡素化、新たな在庫管理の仕組み構築。場内でのモノの移動管理(棚卸しなくてもどこに、何が、どれだけあるかが分かる)

他にもDXレベル3の改善は色々ありますが、基本的にはDXレベル1・2よりも取り組み範囲が大きくなるという事になります。当然それに伴って改善成果も大きくなるという事になりますが、同時に難易度も上がっていく事になります。通常このレベルの改善は社内でPJを組んで進めて行く場合が多く、担当者が数人頑張れば何とかなるというレベルではないので、しっかりと会社としての意思決定を行った上で進めていくべきものです。

このDXレベル1・2とレベル3の間には結構大きな壁があって乗り越えて行く事は大変ですが、「DXを行って会社が大きく変わった」、「低コスト体質になって利益が上がった」にはなりませんから、十分気を引き締めて取り組んで行ってほしいと思います。





5.DXレベル4が当面目指すべきレベルである

前回までDXには5つのレベルがあるという話をしてきて、DXレベル3までの説明をしてきました。今回はその続きであるDXレベル4について話をしたいと思います。ちなみに当社(アステックコンサルティング)で規定しているDXレベルは以下の通りです。

レベル1:社内で使っている紙データをデジタル化する段階、また着完や工数データなど今まで十分に認識出来ていなかった項目を見える化できるようにする段階。

レベル2:デジタル化したデータの取りまとめ、グラフ化、問題点の抽出及びそれに伴う各種改善の実施。またその他必要なデータの収集、デジタル化の拡充。

レベル3:改善やデジタル化の範囲を単独の設備や工程から仕事の流れ(業務フロー)に拡大する。いわゆる業務フローの簡素化、効率化を進めていく。各種ツールの活用も行う。

レベル4:会社全体の仕事の流れを再構築していく段階であり、抜本的な改革を行って業務コストの削減を行っていく。システム先行ではなく改善先行で進めていく。

レベル5:社外も含めてサプライチェーン全体の流れを再構築していく段階である。また新たな技術を使って新ビジネスの開発及び新ビジネスモデルを構築する段階。

DXレベル3では活動対象が仕事の流れ、業務フローの簡素化、効率化になるという話をしましたが、DXレベル4では更にその対象が広くなります。具体的にはDXレベル3の段階では部門内や職場内の業務フロー(例えば帳票の作成フローや承認フロー、経費精算フローなど)を変えて行く事がメインになりますが、DXレベル4では会社としての基本的な仕事の流れ、いわば受発注の仕組み自体を変えて高効率化・低コスト化を行っていく流れになります。

分かり易く言うと、一般的な製造業には5つの基本業務フロー(営業フロー、生産管理フロー、設計フロー、調達フロー、製造フロー)がありますが、これらの基本フロー自体を改善し効率化・低コスト化していくという事です。仮に営業フローであるならば、顧客と面談し商品を売り込む、そして顧客から受注をもらったらその情報を業務部門もしくは生産部門に伝達するという流れが基本フローです。そしてその中で新たな設計要素が入ってきた場合、設計部門とも連絡を取り合って図面を完成させるという流れも加わってきます。このように営業フローと言っても営業部門だけで完結するのではなく、複数の部門と連携しながら仕事を進めていくわけですが、DXレベル4ではこの基本フロー自体を効率化することが求められるということになります。

正直言ってかなり難易度の高いフロー改善となりますが、イメージ的には今の業務の流れの悪い所をピックアップして改善していくということよりも、全く新しく業務フローを設計したらどうなるのか、今の技術で最も効率的な仕事の流れを作るとしたらどうなるのかと言う視点で考えていくことが大切なわけです。そして理想のフローが設計できれば、現状の業務フローと比較して改善すべきポイントを明らかにしていくという事になるのです。その中で新しい技術やツールが利用できれば積極的に活用し、より効率的な業務フローを作り上げることができます。

先ほどの営業フローの例で言えば、営業フローの理想として「顧客と面談をして注文依頼があれば、その場でタブレットを使って必要情報を入力し、工場の負荷状況が明確に見えるとともに、今発注したら商品がいつラインに投入されて、いつ完成するのか、そしていつ納品できるのかが瞬時に明確になり、顧客とその情報を見ながら納期を決める」という流れが理想的です。当然ながら発注をかけたらその時点で生産計画に展開され、自動でBOMに分解され部品メーカーに即発注することも一連の流れで行われます。

このように理想のフローを描いた上で現状のシステム(業務フロー)とのギャップを明確にし、理想を実現できるように改善を進めていくわけです。当然ながら理想のフローを実現させていく上で新しいツール・技術が必要になってくる場合も多いと思うので、その場合は積極的に新ツールなどを導入していくことが望まれます(予算の範囲内ですが)。営業フローの例で言と、「工場の負荷状況がリアルタイムで見える」、「タブレット等で発注行為が完了できる」、「受注入力後は即時に生産計画に展開される」、「計画に応じて材料を自動発注する」などが求められる新しい技術であり、これらを実現することで先の理想の営業フローが完成することになるのです。

注意してほしいのは先に理想フローがあって、それを実現するために新しい技術やツールを使っていくのが本来であって、ツールや新システムが先にあるわけではないということです。よく間違われるのがこの部分であって、新しいシステムやツールを入れることがDXではないという事を理解しておいてほしいと思います。やりたいことを実現するためにツールを利用するという視点を忘れないでください。

このようにDXレベル4を実現するのには結構時間もかかりますし、投資もそれなりに必要になってくる場合がほとんどです。ですからDXレベル4を目指していく場合には5年程度かけて実現していくイメージを明確にしておく必要があります。決して1年程度で何とかなるものではないと理解しておいてほしいと思います(DXレベル1・2ならば1年程度で大丈夫)。

ちょっと長くなりましたが、DXレベル4のイメージは湧きましたでしょうか?まずは理想の業務フローを描くというところから始めていってほしいと思います。





6.DXレベル5はサプライチェーン改革である

DXレベルの話を今まで書いてきましたが、いよいよ最後のDXレベル5について話をしていきたいと思います。もうすでに何回も書いていますが、DXレベルの基本的な考え方は以下の通りです。

レベル1:社内で使っている紙データをデジタル化する段階、また着完や工数データなど今まで十分に認識出来ていなかった項目を見える化できるようにする段階。

レベル2:デジタル化したデータの取りまとめ、グラフ化、問題点の抽出及びそれに伴う各種改善の実施。またその他必要なデータの収集、デジタル化の拡充。

レベル3:改善やデジタル化の範囲を単独の設備や工程から仕事の流れ(業務フロー)に拡大する。いわゆる業務フローの簡素化、効率化を進めていく。各種ツールの活用も行う。

レベル4:会社全体の仕事の流れを再構築していく段階であり、抜本的な改革を行って業務コストの削減を行っていく。システム先行ではなく改善先行で進めていく。

レベル5:社外も含めてサプライチェーン全体の流れを再構築していく段階である。また新たな技術を使って新ビジネスの開発及び新ビジネスモデルを構築する段階。

この様にDXにはレベルがあり、基本的にレベル1から順に進んでいかないとレベル3やレベル4に到達することはできません。データのデジタル化が進んでいないと、そのデータの活用が出来ないと言うことですね。

今回話をするのは最終的なレベル5についてですが、このレベルは非常に難易度が高く簡単に実現できるというものではありません。特定のシステムを入れれば何とかなるという類のものでもありません。会社として明確な方針を定めたうえで、5年、10年かけて取り組んでいかなければ実現することが難しいレベルなのです。

具体的にDXレベル5とはどういう状態かというと、これはサプライチェーン全体を管理することで中間層を排除し、利益の最大化を図るということになります。DXレベル4では社内におけるモノの流れ、情報の流れを最適化することによってムダを排除し収益性を上げることが目的だったのですが、DXレベル5ではその対象は自社だけでなく取引先や顧客など自らのビジネスモデルに関与する全ての流れを対象とした改善ということになります。すぐには理解しにくいかもしれませんが、要はサプライチェーンの流れ全体を対象とした業務フロー改善ということになります。当然ながら自社以外の企業にも参画してもらわないと実現できませんから、極めて難易度が高い取り組みであることは分かってもらえると思います。

そしてこのDXレベル5を実現していくためには企業規模やサプライチェーン上の立ち位置も非常に重要な条件になってきます。外注先や仕入れ先、場合によっては顧客までを含めた流れを改善していくわけですから、それなりの企業規模が必要になってくるのは明らかです。いわゆる部品メーカが自社主導でDXレベル5を実現しようとしても最終組み立てメーカーがOKと言わないと実現は出来ません。特に商流自体が大きく太い流れであるならばその傾向は非常に強くなるのは間違いありません。いわゆるニッチ市場での対応ならば可能性はあるのですが、大きな商流になる分野においてはやはりセットメーカー(最終組み立てメーカー)主導になってしまうのは紛れもないところでしょう。

またこのDXレベル5を考えるときに必要になるのは、利益の源泉がどこにあるのかということです。基本的にこのレベルを達成しようと思ったときには相当な投資が必要になることは間違いありません。基本としてサプライチェーン上の各企業が参画できるシステムの構築が必須ですし、さらに基本的な情報インフラを同じものにする必要があります。また部品メーカーの生産進捗をリアルタイムで見ようとする場合にはそれ専用のソフトを導入する必要があるわけです。他にも色々と必要になるシステムはあると思いますが、少なくともこれだけでも億単位のシステム投資が必要になります。それではこの投資をどこで回収するのかというと、これがいわゆる一般的なムダ取り改善で回収できるか、というとそれは無理なわけです。ムダ取りを前提とした改善を一生懸命やって各段階でコストダウンを行ったとしても各企業で得られる利益額はとても投資に見合うものでないことは明白です。

それではどこで投資を回収するのかと言うと、これは中間階層を排除することによって今まで中間層が得ていた利益を、DXレベル5推進の母体である最終組み立てメーカーが総取りすることによって利益を確保するということになるでしょう。要は今までサプライチェーン上にはティア1やティア2、ティア3などと呼ばれる大手部品メーカーがあったわけですが、デジタル技術の発展に伴い今後は最終組み立てメーカーが末端の部品メーカーまで全ての関連メーカーを直接コントロールすることが出来るようになるので中間のティア1、ティア2といった階層は不要になってしまうのです。そしてそれらの層が得ていた利益を最終組み立てメーカーが得ることによって収益力を上げていくのです。

そしてこの話は夢物語でもなくもうすでに始まっていることで、飛行機産業や欧州系の自動車メーカーなど産業構造がはっきりしている業界では今後どんどん進んでいくものと思われます。他にも産業構造が深い業界や関連企業が非常に多い業界では間違いなく進展していくでしょう。つまりDXには最終的に産業構造自体を大きく変えていく力が秘められているわけで(階層構造→フラット化)、DXのベースになっているインダストリアル4.0が第4次産業革命と呼ばれている理由もそこにあるわけです。ですから社内システムを入れ替える程度でDXが出来たと考えるのは早計で、自社を含めたサプライチェーン全体を変革することがDXの最終的な目的になるわけです。

それでは部品メーカーは待っていればDXの流れが来て安泰かというと、そういう訳でもありません。デジタル技術が進展したといっても管理すべき企業数が増えると大変なのは間違いありませんから、最終組み立てメーカーもある程度の絞り込みは行っていくと思いますし、ティア1やティア2がいなくなった分部品メーカーは品質保証責任や生産量増減に応じた供給責任、場合によっては新技術開発能力も求められるようになりますから、部品メーカーに対してもある程度の規模が求められるようになると思います。例えば資本金は3億以上とか、従業員数500人以上など取引上のトラブルが起こっても自分で対処できるだけの力は必要になるでしょう。そのため小規模な企業に関しては合併や統合の依頼が来るかもしれません。中小企業の合従連衡が加速されることもDXの側面として考えていく必要があるでしょう。

今回はDXレベル5について話をしてきましたが、実はDXレベル5にはもう一つの意味合いがあります。次回は別な視点でのDXレベル5+αについて話をしていきます。





7.新たなビジネスモデル構築もDXの1つ

前回までDXについて色々と解説をしてきましたが、今回はDXレベル5の別形態として考えられる「DXレベル5+α」について書いていきたいと思います。

前回DXレベル5とはサプライチェーン全体通した業務フローの改善であり、最終的に中間業者を削減することによって得られる利益を最大化しようとする取り組みであることを説明しましたが、実はDXレベル5には別な側面での取り組みがあることも説明していきたいと思います。

先に述べたDXレベル5が現状の仕事の流れ(ビジネスモデル)を対象にした取り組みであるのに対して、DXレベル5+αとは新しい仕事の流れを創出する取り組み、新たなビジネスモデルを作り出す流れと言うことが出来ます。それはITやICT などの情報通信技術だけではなく、GPSやAI、ドローン、ビッグデータ解析など新しい技術を使って今までにない新しいビジネスを創出する取り組みと言うことが出来ます。要は新しい技術を使った、新しいビジネスの創出がDXレベル5+αと言うことになります。ただ新しい技術が開発されるとそれを活用した新しいビジネスが生まれることは過去からの必然な流れであって、これをDXと呼ぶべきかどうかは議論が分かれるところではないかと思いますが、DX自体が産業変革の波と考えられていることから見てもそう呼んでも良いのではなかと思います(やや不明瞭な概念なので+αにしている)。

ただ現実問題としてデジタル技術やその他の新技術を基にした新しいビジネスがどんどん生まれていることは間違いないわけで、これらの新ビジネスを通じて社会が大きく変わろうとしていることも一つの事実です。例えばかなり以前から普及している音楽配信サービスやアマゾンのような宅配サービス、数年前から急速に普及し出したウーバーイーツや出前館のような食事のデリバリーサービスやGOに代表されるタクシー予約システムなども言わばDXレベル5+αの取り組みであり、これによって従来の既存業界に極めて大きいダメージを与え、時には既存業界を壊滅させることも現実には起こっているわけです。

逆にDXによって既存のビジネスモデルが大きく変わっていった例としてはコマツ(株式会社小松製作所 様)のスマートコンストラクションが挙がられると思います。最初はコマツで造っている建設機械にPHSを使った発信機を取り付け、稼働状況を知ることによって保守サービスの充実や新たな建設機械の売り込みを行おうとする取り組みが、今や建設現場の自動化、無人化までを対象にした総合的なDXビジネスに成長しています。まさにデジタル技術を使って従来のビジネスモデルの変革から新たなビジネスモデルの創出にまで発展した事例と言えるでしょう。そしてこのような変化を遂げる企業はこれから続々と出て来るのではないかと思います。そして願わくはそれらが日本企業であってほしいという事ですね。

今まで述べてきたようにDXは産業構造を大きく転換させる破壊力を持った取り組みであるのは間違いありませんし、世間がその方向にシフトしていく以上対応できない企業は取り残され、やがて終わりを迎えることになりかねません。私としては日本全体がDXの取り組みを行って構造的に低コスト体質になっていく事が必要なのではないかと思います。そうしないと海外産品の低コスト化に追随できなくなり、人件費コストの引き下げによってコスト対応を行うという最悪な取り組みしか行えなくなってしまう危険性が高いのです(もう既にそうなっている部分も多い)。やはりDXによる構造的なコストダウンを行う事によって、社員の給与は維持したままで低コスト化に対抗していくという考え方が必要なのではないかと思います。

また産業構造を変革することによって生まれた過剰人員は、それこそDXによって生まれた新しい産業に吸収してもらう事も必要です。つまりDXによる産業構造の変革とそれに伴って発生する人材の流動化が新しい産業の発展を促進し、新たな付加価値創造につながっていく事がDXの最終的な目的になるのではないかと思います。

最後はちょっと大きな話になりましたが、DXによって企業が低コスト化して行く事は紛れもない事実です。そのためまずは足元のDXレベル1・2から始めて数年後にはレベル3にチャレンジし、その後は将来プランの作成とともにより大きな変革を求めてレベル4・5に取り組んでいくことが日本企業、そして日本全体に求められている事ではないかと思います。

どうか本稿を読んでくださった皆さんの企業は、目指すべき目標をしっかりと持った上でDX活動を推進していっていただきたいと思います。

ちなみにDXレベル1・2に関してアステックではDX基本セット(帳票の電子化ツール、設備稼働監視ツール、着完入力ツール)、及び応用セット(スケジューラ、在庫管理ツール、BPMソフト)を販売していますのでご気軽に声をかけてください。担当は(株)アステックコンサルティング・DX推進部です。

またDXレベル3以上を目指し、抜本的な業務フロー改善やフローコストダウンを行う場合にはコンサルティングが必要になりますので、アステックの営業部門へご連絡ください。貴社に最適なDXの推進方法を提案、そして必ず成果につながるコンサルティングを実施いたします。

株式会社アステックコンサルティング
代表取締役社長  岩室 宏
DXの考え方 連載
             
第1回  DXの目的と本質
(7)新たなビジネスモデル構築もDXの1つ(2021.11.12)
(6)DXレベル5はサプライチェーン改革である(2021.11.05)
(5)DXレベル4が当面目指すべきレベルである(2021.10.29)
(4)DXレベル3からは対象領域が変わる(2021.10.22)
(3)DXレベル2はデータの活用(2021.10.15)
(2)DXレベル1とはデジタル化(2021.10.8)
(1)DXって何だろう?(2021.9.30)