事例紹介

お客様の声

マルサンアイ株式会社 様

お話し 生産統括部長 稲垣宏之様、副統括部長 杉浦孝司様、MTPM事務局主事 鈴木克典様
事業内容 ・各種味噌 ・豆乳 ・飲料水 ・健康食品 他食料品の製造販売
URL http://www.marusanai.co.jp

本日は、愛知県岡崎市にあるマルサンアイ株式会社本社工場を訪問させて頂きました。マルサンアイ株式会社様は、1952年創業で各種味噌、豆乳、飲料水、健康食品などの製造販売をされている食料品メーカーです。ブリックタイプの豆乳やカップタイプの味噌、赤だし味噌など毎日召し上がっていらっしゃる方も多いかと思います。

3年間一緒に改善活動をさせて頂きました生産統括部長 稲垣宏之様、副統括部長 杉浦孝司様、MTPM事務局主事 鈴木克典様にお話を伺いました。

Q:赤だし味噌や豆乳は美味しく頂いています。
当社は戦後の創業なので、味噌の事業者としては遅い方だと思いますが、伝統にこだわらず新しい技術に取組んできました。例えば、味噌を殺菌して密閉容器に充填したり、豆味噌と米味噌の合わせ味噌(ミックスみそ)の開発など、当時では邪道と云われた製品化の草分けだと自負しています。また豆味噌、米味噌、麦味噌の3種類の麹を扱っているメーカーも珍しいかもしれません。

大豆を使った商品展開として1980年から豆乳の生産を開始しましたが、今では味噌よりも売上としては大きく育っています。抹茶味、コーヒー味、紅茶味に、バナナ味など果汁と合わせた豆乳もあります。

全国の量販店で販売していますので、是非お召し上がり下さい。
Q:工場展開はどのようにされていますか?
愛知の本社工場の他に、群馬に関東工場があり、新たに鳥取に製造会社を設立し新工場を建設予定です。 また、米国に豆乳の合弁会社があり、今後はASEANを中心に海外展開の拡大を計画しています。

Q:アステックコンサルティングとの改善活動はどのようなキッカケで始められたのでしょうか?
2012年に当時の生産役員と一緒に包材メーカーの工場を見学したのですが、この時そのメーカーが取り組まれていたTPM(Total Productive Maintenance)をアピールされました。当時、改善活動の成果が中々上がらなかった当社としても大いに啓発されコンサルティング会社にも3社からお話を聞きました。その中の1社であったアステックさんの岩室社長のセミナー『コストイノベーション戦略』を聴講しましたが、次第に多品種少量生産となっていた当社にとってピッタリだと感じました。まずは、管理職研修を導入して改善の下地を作ったのですが、この研修を通じて組織的な改善活動の必要性を強く感じました。

工場診断を受けたところ大変厳しい結果でした。元々の改善レベルが低かったのか報告書で提示された改善成果の目論みは非常に大きく、年間で億単位のロス削減金額を提示されました。経営トップも大いに期待感を持ち、本格的にコンサルティングを受ける事になりました。
Q:活動はどのようにすすめられましたか?
トップからは数値的な成果もさることながら、改善活動を継続できる組織作りや風土を作るようにとの指示がありました。コンサルタントとも相談しながら味噌工場と豆乳工場をメインの改善メンバーとしてMTPM(マルサンTPM)活動という名称にし、新規に事務局も立ち上げての取り組みスタートでした。

1年目の活動は味噌工場で大きな成果が出ました。味噌は人手がかかる労働集約的なモノづくりなので生産現場の作業改善やレイアウト改善などによって、1年目のコストダウンは目標を大きく上回る成果が得られました。

活動を始める前と当初は、改善活動に多くのメンバーが不安と精神的な負担を感じていたと思いますが、コミュニケーションを活性化する手法やミニ講座を通じて次第に改善活動に対して馴染んでいったように思います。コンサルタントの方も毎回現場を巡回されアドバイスをもらいましたし、作業者との距離感も近くなったと思います。

2年目の主役は豆乳工場です。豆乳はプラント型のモノづくりですから機械のボタンを押せば設備がプロセス通り作ってくれるのですが、多品種少量生産が多くなってくる中でプラント内の洗浄や滅菌を繰返しながら設備の稼働率を向上せねばなりません。また、同一勤務内の横の繋がりと同時に3交替制勤務の中で同じアクションプランをやり遂げる必要がありましたので、勤務シフト間の引継ぎと実行の確認、成果の刈り取りの仕組みが重要です。このシフト間の引継ぎフォームやシステム作りがメインとなった1年目でしたが、上手く活動が回りだした2年目に大きなコストダウン成果が出てきました。

3年目には、経営企画から在庫削減に取組みたいとの意見が出てきてこのテーマに他部門とともに取組みました。当初から経営企画のメンバーにもプロジェクトに参画してもらっていたので大変良かったと思っています。この活動ついても大きな成果が得られて3年間で初年度計画の3倍程度のコストダウンが出来ました。次々と成果発現の主役が出てくる活動であったと思います。
Q:担当コンサルタントは、どんな指導でしたか?
現場改善と生産管理の仕組み改善、そして教育意識改善を3年間の各フェーズそれぞれにバランスを取りながら活動メンバーの理解度や進捗具合を全体最適化事務局とも確認しあって進めてもらったので良かったと思います。

時には厳しく、時には暖かく熱心に取組んでもらったと思います。また、アステックさんには指導状況アンケートの仕組みがあって、営業の方が進捗度合いや進め方についてヒアリングもしてもらったのでそのフィードバックがあったのかもしれません。
Q:3年間のコンサルティング終了後、自主改善をされていますが、如何ですか?
活動当初はやらされ感もあったのですが、今では改善活動が当たり前となって日常業務の一部となっています。毎月3回の会合を誰からとも無く『アステック活動』と称して論議しながらPDCAを廻しています。

小グループ長以下のプラン、結果をグループ長が報告し、所属長が工場全体の管理指標を分析し、工場全体の成果と次の活動への繋がりを見ています

今期も更に高い目標を掲げて取組んでいますが毎月クリアしていますのでその目標も達成見込みです。

今日は、3年間の改善活動について振返りながら、様々なお話を頂きましてありがとうございます。 自主改善に移行されてからも改善活動を継続され改善組織や風土が根付いているとお聞きして、経営トップの本来の目論見が成功している様子がうかがえ良かったと思います。

また、当時改善組織のディレクターだった方々も関東工場や鳥取の新会社のトップに就かれるなど活動の取り組みが更に広がっていると伺い大変力強く嬉しく感じました。

これからも是非宜しくお願いします。ありがとうございました。